ナレッジマネジメントと看護
ナレッジマネジメント(knowledge management)は「知識管理」ともいわれますが、個人の知識や情報を共有することで業績を上げようとする経営における管理手段の一つです。
ナレッジマネジメントの課題は知を共有、活用し、さらに進化させることにあります。
看護の知は、「形式知」(知識、情報、データ等具体的なもの)よりも人を相手とするため、見えない、触れない、「暗黙知」が多いと言う傾向があります。相手の個別性を察知したり、経験から学んだ技術やテクニック等も看護における暗黙知の中に含まれます。
では暗黙知を共有化(見えるように)するにはどうしたらよいでしょうか?
暗黙知を共有する過程は『共同化』と『表出化』などと言われていて、例えると、マニュアル作成などがこれに当たります。
しかし「実際に体験してみないとわからない」といったマニュアルから読み取れないような部分は、マニュアル作成者の暗黙知が充分に表出化できていないということになります。
暗黙知を表出化することは簡単な作業ではなさそうですね。
したがって、暗黙知を共有するためには、意図的に状況を設定して体験すること、いわゆるロールプレイなども必要となってきます。
ナレッジマネジメントを浸透させることで看護師個人の能力の育成や、チームとしての能力向上、業務改善や新しいことの導入のチャンスを提供できるようになるといわれています。
参考図書
・ナレッジマネジメント―創造的な看護管理のための12章 大串正樹(著)
看護師転職サイトの正しい選び方
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