エキスパートナース
エキスパートナースとはどのようなナースのことを指しているのでしょうか?
P.ベナーによると優れた実践技術、知識を持っていることだけが「エキスパート」として認識される条件ではなく、エキスパートとは人格を磨く事や、人間関係構築能力の向上が伴う総合的な「総体」としての状態であるとしています。
看護の現場では、よく「何年目?」「経験年数は?」と言う言葉を使いますが、ベナーのいう、単にナースとしての経過年数(時間)がキャリアではないとしたら、どのように看護師としての「経験値」を捉えることができるでしょうか?
経験には1)直接的経験、2)反省的経験(1の体験に対して意味付けをする内省的な経験)があるとされています。つまり、実際に体験したことを通じ、考察したり、自分なりに直接体験を意味付けすることでナースとしてのキャリア、経験を積んだ事として説明できるのではないでしょうか。直接的経験をたくさんしても、それを放置しておいたのではエキスパートナースへの道は遠いと言うことですね。
新人の頃にはよく「足りない経験は知識で補え!」と叱咤激励され、担当患者さまに関する疾患や看護についての論文、記事、書籍等を読みあさったものですが、そのようにして得た知識と、現場で直接経験したことの関連づけ、思考を深めていくことが自分なりの看護感を育て、これがナースとしての成長なのかなあとも思います。
■参考図書
ベナー看護論―初心者から達人へ パトリシア ベナー
看護師転職サイトの正しい選び方
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