看護師長とサーバントリーダーシップ
「部下がついてきてくれない」
「チームとして一体感がない」
といった悩みをお抱えの看護師長は、サーバントリーダーシップについて知っておくと良いかもしれません。
一般的なリーダーシップというと、自分が中心となって周囲を引っ張る牽引力や、周りを巻き込む影響力といった力強いイメージをもつ方が多いと思います。
看護師長にとって、部下に一方的に指示を出して命令に従わせようとすることは難しいことではありません。看護師長は部下の看護師の人事にも影響力をもっていますので、ポジションパワーをちらつかせれば、多くの看護師は看護師長の機嫌を損ねないように、おとなしくいうことを聞くでしょう。
しかしこのような支配的、統制的なリーダーシップでは最近の組織は機能しなくなってきているのが現状です。経済が右肩上がりに成長し、努力すればするだけ高い成果があげられる時代では、支配的なリーダーシップは有効に機能していました。しかし、経済成長が頭打ちとなり、顧客のニーズも多様化、複雑化している今日では、リーダーの一方的な指示だけで成果を挙げられるほど単純な環境ではなくなってきているのです。
今後は、リーダーの価値観だけではなく、多様な部下の個性を引き出し、それらを活かしながら環境変化に対応していく組織が生き残ると言われています。
そこで登場したのがサーバントリーダーシップという考え方です。
サーバントリーダーシップでは、主役は上司ではなく部下です。上司は部下を押したてながら、目標達成に向けて部下が自ら行動するよう導きます。
有名な「北風と太陽」のエピソードで言えば、北風が支配的なリーダーシップのスタイル。太陽がサーバントリーダーシップと言えます。
「旅人のコートを脱がせる」という目的のために、北風は力強く冷たい風を吹かせますが、旅人は抵抗してコートを脱ごうとしません。一方、太陽は、旅人に暑い太陽光をさんさんと浴びせて、旅人が自分からコートを脱ぐように仕向けます。
看護師長としても、いちいち指示を出さないと動かない部下よりも、指示を出さなくても、同じ方向に向かって自分で行動を起こしてくれる部下のほうが助かりますよね。
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